漢方外来

漢方とは

漢方には、紀元前からの中国医学の流れをつぐ中医学と、それを基礎にして室町時代以後に日本医学が加えられた、日本漢方があります。
日本漢方と中医学の診察法で共通するのは、問診や視聴覚による診察・舌診・脈診があります。日本漢方では、さらにお腹を診る腹診があり、これらの診察法により患者の状態や体質等を把握し、治療法を検討します。

漢方薬とは

漢方薬は、生薬から作られます。生薬とは、自然に存在し薬理作用のあるものので、植物の根・花・実・種・樹皮の他動物の皮や骨・鉱物等が用いられます。

漢方薬は顆粒状のものが多いのですが、錠剤や丸薬・カプセルタイプのものもあります。

漢方の効果

漢方は長く続けないと効果が出ないと思われがちですが、こむら返り・偏頭痛・めまい・鼻汁・鼻づまり・肩こり等の症状には、比較的早く効果が出ます。

しかし、アトピー等で体質の改善を図る場合は、長期の服用が必要となります。また、高血圧症や高脂血症・精神疾患等では漢方の効き目は弱く、漢方のみで治療するのは難しいと思われます。抗癌剤等の副作用の強い薬に漢方を併用することで、副作用を軽減することが可能となります。

保険適用

現在漢方薬は、148種類が保険適用となっております。そのため、保険で処方される一般の薬と一緒に、漢方薬を処方してもらうことができます。

 

漢方について気になることがありましたらお気軽にお問い合わせください。

症例

症例1.じんま疹(65歳 女性)

以前からじんま疹が出没し、抗アレルギー薬を服用していた。薬を飲んでも、じんま疹が出来ては、消えていた。じんま疹の改善を図るため、抗アレルギー薬は継続し、漢方2種類を朝夕1包ずつ服用してもらった。
服用後かゆみが軽減し、じんま疹が消えるまでの時間が短縮した。漢方服用開始4ヶ月後には、じんま疹が出なくなり、漢方を朝1回に減量した。その3ヶ月後には、じんま疹が出ないので、漢方の内服を中止。その後も抗アレルギー薬の内服は継続していたが、じんま疹が出ないので、6ヶ月後には抗アレルギー薬も中止。その後もじんま疹は、出現していない。

症例2.花粉症・肩こり・寝違え(35歳 男性)

以前から花粉症があり、鼻閉・鼻汁・眼の痒み等のため抗アレルギー薬の内服、点眼・点鼻等で治療していたが、鼻閉があまり改善しなかった。
そこで、抗アレルギー薬は継続し、漢方2種類を毎食後服用してもらった。服用開始後、速やかに鼻閉や痒みが改善した。その後花粉の症状が現れるたびに、抗アレルギー薬の治療に加え、漢方を内服している。また、長時間のPC作業により肩こりを訴えたり、寝違えによる頚の痛みがみられ、それぞれ漢方を内服することで、比較的速やかに改善がみられている。